『なぜ椅子をつくるのか』普及版 Motoshimon Books 2023年

MotoshimonBooks では、2023年10月に『なぜ椅子をつくるのか』の普及版を発行しました。初版の美装丁版がすべて出尽くしたため、カラー電子書籍版モノクロ印刷小冊子版の2種類をあらたに作り、販売しています。

この電子書籍(カラー版)は、グレイン・ノート椅子展に集まった椅子製作者たちの物語であり、「なぜ椅子をつくるのか」という椅子づくりの語りを集めたものでもあります。

グレイン・ノートは、長野県松本市中町通りの中心にある木工の工芸店です。この店で1980年代から30年以上にわたって「グレイン・ノート椅子展」が開かれてきました。

椅子は座る道具だといえます。近代椅子・北欧椅子・民藝椅子として、近代日本社会で育ってきました。けれども、単なる座る道具ではありません。生活の中で使われてこそ、椅子は活き活きとすると思われるのですが、この椅子はふつう意識されることなく使われているのです。

このような椅子を目指す木工製作者たちがグレイン・ノートに集まり、なにか見えない形で結びつけられてきたのです。この集まりには何か特有なものがあると思われますが、それは何なのでしょうか、そして、なぜ椅子を作り続けるのでしょうか。この問いに対する答えがこの書籍になったのです。(電子版はカラー印刷、別途提供している紙版はモノクロ印刷です。)

本の内容(目次)
1. 儲からない家具は作りたくない(浅村治利)
2. 表現できないことを読み取って形にする(奥田忠彦)
3. 原点に立ち戻って作る(小田時男)
4. Kino的とは何か(片岡清英・紀子)
5. 椅子の世界には広がりがある(金澤知之)
6. 椅子は遊びだ(木村毅)
7. シンボリックフォルムの椅子(小山利明)
8. 生活の道具としての椅子(酒井隆司)
9. 椅子はもっと自由なものだ(指田哲生)
10. 空間を作る椅子(島村克一)
11. 機械を一切止める(園田勝幸)
12. 逆目の止まらない状況を楽しむ(谷口泉)
13. クラフトフェアには不思議があった(寺下健太)
14. ラスティックチェアに没頭した(羽柴完)
15. 闘鶏椅子に逆に座る(羽柴弦)
16. 作るひとのアイデンティティが現れる(藤牧敬三)
17. うまく生きるために椅子を作る(藤原哲二)
18. 椅子は成長する(豊福重徳)
19. 木を贅沢に使う(牧瀬昌弘)
20. 手仕事はモノとのキャッチボール(増山博)
21. 今まで出したことがない椅子しか出さない(松本勝行)
22. たまたまそこに腰掛けるような椅子(森山憲二)
23. 仕事の考え方が人と違ってきた(矢倉保男)
24. 椅子を作っていると遊んでいるし生きている(山形英三)
25. 座えぐりを始めると止まらない(横澤孝明)
26. あとがき―なぜ椅子をつくるのか(坂井素思)

 

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